ストレンジデイズ「10cc特集」正誤表

先月発売された「ストレンジ・デイズ2002年2月号」で、約40ページに及ぶ10cc特集が組まれました。
本人たちの活動が停滞しているこの時期、こうして雑誌に取り上げてもらえるのは本当にありがたいことではありますが、
実際に読んでみると、事実誤認や誤植のあまりの多さに暗澹としてしまったのは私だけではないでしょう。
複数の友人からも同様の嘆きを聞きました。誤りだと分かる人はまだいいです。
10ccについてよく知らない人が、この特集によって誤った知識を得るとしたら、とても残念です。
そこで、気が付いた個所を以下に一覧表にしてみました。
さらに、昨年末に同じ出版社から刊行された「ミュージック・ストリーム 1」(岩本晃一郎著)の10cc/G&Cの項にも同様の誤りがあるため、
合わせて列挙しました。また、同時期に発売された10cc/G&Cの紙ジャケCDもストレンジ・デイズのライター陣が解説を書いており、
同様の事実誤認が見られますが、こちらは前2冊のものとほぼ重複しているため、省略しました。
なお、スペースの都合上、引用部分は必要最小限にしましたので、できれば原本と照らし合わせながら読んで下さい。
2002年2月9日

〈追記 − 2月15日〉
ストレンジ・デイズ3月号が発売され、巻末の編集後記の下に、6項目だけ訂正が載っていました(下の黄色い文字の部分)。
ただこれは、全て赤岩和美氏が執筆した部分であり、おそらくは筆者自身が自分で気が付いたのではないかと思います。

<ストレンジ・デイズ2002年2月号>
p.88 下 l.18・・・「シー・ユーズ・ラヴ」 → 「シー・ニーズ・ラヴ」[誤植]

p.89 中下 l.23・・・ハーマンズ・ハーミッツのピーター・ヌーンがプロデュースに手を貸した
[名前を貸しただけで、実際には何もしていない。]

p.90 上 l.3・・・「レイト・シスター・レイト」 → 「レイト・ミスター・レイト」 [これも誤植]

p.90 中下 l.13・・・直前でムーディー・ブルースとのツアーが〜中止になり
[「10cc Story」によると、4日間だけ行われた。]

p.91 上 l.14・・・ピーター・トッシュ → スチュアート・トッシュ

p.91 中下 l.4・・・『都市探検』のプロデューサー → 『ミステリー・ホテル』の〜

p.91 下 l.1・・・スティーヴン・ピコット → 〜・ピゴット

p.91 下 l.2・・・日本で〜発表している → [海外盤も出ている。]

p.91 下 l.14〜l.22・・・そして、2000年には〜行なっている
[この部分はグールドマンの近況]

p.97 上 l.6・・・「ラバー・バレッツ」 → 「ラバー・ブリッツ」[バレッツという発音は誤り]

p.98 上 l.22・・・『ブルー・ジェイズ』 → 「ブルー・ギター」[アルバムには参加していない。]

p.98 中 l.2・・・エリック・スチュアートだけが → スチュアートとゴドレイが

p.98 下 l.20〜25・・・80年には〜。実は、この前年〜コモン・ナレッジなるユニットを結成
[コモン・ノレッジ結成は84年。10ccの活動停止のほとんど直後。]

p.99 下 l.22・・・ロル・クレームが「ミーンホワイル」に参加しているのは驚き
[ケヴィン・ゴドレイも参加しているのだが・・・]

p.99 下 l.スティーヴ・ポーカロ → ジェフ・ポーカロ[他にデヴィッド・ペイチも参加]

p.100 l.7・・・Song Of The Mockingbird → The Flight Of The Mockingbird

p.100 l.34・・・Got To Trot → Hot To Trot

p.100 l.42・・・Les Nouveaux Richies → Les Nouveaux Riches

p.100 l.42・・・I Hate East Alone → I Hate To Eat Alone

p.100 l.47・・・I'm Not In Love → [7インチには収録されていない。]

p.101 l.12〜14・・・Little Peace Of Heaven → A Little Piece Of Heaven

p.101 l.35〜37・・・Wherever Your Are → Wherever You Are

p.101 l.45・・・Windmiles Of Your Mind → Windmills Of Your Mind

p.102 中上 l.14〜17・・・「愛ゆえに」や「トロピカル・ラヴ」などのPVに関してもイニシアチヴを取った
[分裂後の作品なのでG&Cはノータッチ]

p.103 下 l.21・・・ロル・クレームが単独でファイン・ヤング・カニバルズのPVを手がけたり
ケヴィン・ゴドレイが単独で〜

p.104 上 l.22・・・マサチューセッツ工科大学 → マンチェスター工科大学

p.104 中上 l.15・・・サード・アルバム〜でギズモを使用して以降
[セカンド・アルバム『シート・ミュージック』で既に使っている。]

p.113 中上 l.8・・・5人の登場人物を自ら演じている → (5人のうち)4人
[紅一点のルル役はジュディ・ハックスタブルが担当]

p.113 中上 l.14・・・サラ・ヴォーンが歌う「ホノルル・ルル」 → 「ロスト・ウィークエンド」

p.114 中下 l.8・・・ダイエットしている女性を食べ物の方が嫌う
食餌療法を受けている男が、空腹を紛らわすために食べ物の名を列挙する
[米盤ジャケットの絵に騙されて、この曲の主人公を女性と思っている人が多いようだが、自分を
「ハッチバックに乗った刑事コジャック」に喩えている点などから、主人公は男性と判断できる。]

p.120 l.17・・・42はホリーズがヒットさせた → [ホリーズの曲とは違う。]

<ミュージック・ストリーム1>
p.147上 l.11、p.195 中 l.1、p.234 下 l.14・・・マサチューセッツ工科大学 → マンチェスター工科大学

p.148 上 l.1〜11、p194 上 l.1〜6・・・「活動していた」「〜を加えて再スタート」「結成」
[どれも10ccには当てはまらない言葉。なぜなら、これこそが10ccと他のバンドの決定的な違い
なのだが、彼らはストロベリースタジオを拠点とするセッション・チームから発展して出来たバンドで
あり、フラブジョイ&ランシブル・スプーンの時に既に4人揃っていた。今回のインタヴューでエリックが
いみじくも指摘している「(ホットレッグズは)偶然に結成された」という発言は、これを意味している。]

p.173 下 l.10・・・スチュアート・トッシュが10ccに加入したため → トッシュが脱退したため
[脱退理由は結婚を控えていたから(ストレンジ・デイズ2000年5月号のイア
ン・ベアンスンインタヴュー参照)。10ccに誘われたのは脱退から約1年後。]

p.195 中 l.7・・・「アイム・ノット・イン・ラヴ」のバックに洪水のように流れるギスモ →
[この曲にはギズモは使われていない。この効果音は4人のコ
ーラスを256人分(512説もあり)にオーヴァーダブしたもの。]

p.225 中 l.3・・・スチュアート・トッシュが10ccに参加するためにパイロットを脱退 → [上参照。]

p.234 中 l.7・・・『ディテクティヴ・ベンズ』 → 『ディセプティヴ・ベンズ』

p.234 下 l.7・・・『アニマリンピック』 → [『アニマリンピックス』はWAXの作品ではなく、グレアムのソロ。]

p.235 下 l.7・・・『ミラー・ミラー』(95年9月) → (95年3月)
[左のUKディスコグラフィーの数字と合わせたのだろうが、日本とアメリカは3月に出ている。]

この正誤表と同じものを、2月1日に「ストレンジ・デイズ」編集部宛てにメール送信してあります。
15日発売の3月号に間に合ったかどうかは微妙なところですが、
いずれにせよ先方からは何の反応もありません(2月8日現在)。
3月号を見た上で、次のアクションを起こしたいと思います。

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