Marmalade Era
Yardbirdsなどのマネージャーとして知られるジョルジオ・ゴメルスキーが設立した
レコード・レーベル、マーマレード。ブライアン・オーガーズ・トリニティ、ブロッサム・トウズ、
ジュリー・ドリスコールなどが所属していたことでも知られますが、Yellow Bellow Room Boomのシングルを聴いて
KevinとLolに興味を持ったゴメルスキーは、折からのフォークブームの中で、2人をサイモン&ガーファンクル
タイプのデュオとして売り出そうと画策、変名を与えてシングルを制作しました。
さらに、アルバム制作にも取りかかりますが、レーベル自体の資金繰りが急速に悪化、
アルバムは日の目を見ずに終わります。
その中の2曲だけは、サンプラーLP「100°Proof」に収録されました。
Frabjoy & Runcible Spoon - I'm Beside Myself
12 Sep. 1969
MARMALADE 598-019 (demo) c/w Animal Song
MARMALADE 598-019 c/w Animal Song
当時のKevinとLolのシングルは、アップテンポの曲と寂しげなバラードとの組み合わせが多いのですが、
このシングルは特にそのコントラストがはっきりしています。両面ともKevinが歌っています。
まだCD化されておらず、簡単には聴けない曲ですが、95年にBBCで10ccの特集番組が組まれ、
これがかかった時は、つくづく英国民が羨ましく思えました。
名義は2人のデュオですが、実際にはGrahamとEricも参加しており、10ccの真の出発点と言えるレコードです。
Marmalade 100° Proof
1969
Graham Gouldman - Late Mr. Late
Kevin Godley - To Fly Away
UK MARMALADE 643314
(Special Advance Promotion Copy)
UK MARMALADE 643314 (front / back)
サンプラーLPとは言え、実質的にはレーベルの最末期に出されたLPで、
いわば閉店在庫一掃セールのようなものだったのか。
全11曲のうち、7曲は既発アルバムの収録曲で、1曲は「ヘアー」サントラから、Le Lievreの1曲は
英国プレスを予定していたフランス原盤からのカットで、全くの未発表曲は上の2曲だけです。
しかも、元のモノラル録音がステレオ化されています。
こちらも上のシングルと同様、EricとLolが加わって4人で制作したものです。
なお、75年にポリドールから出された「Rare Tracks」(POLYDOR SPECIAL 2482 274 MONO)に、
Kevinの「To Fly Away」が収録されています。このアルバムは日本盤(POLYDOR MPF 1009)も
出ています(曲数は減っていますが)。CD化はまだです。
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