そもそもの始まりは1981年、10ccのアルバム『Ten Out Of 10』を発売することになった米ワーナー・ブラザーズ社の重役レニー・ワロンカー(Lenny Waronker)が、米国のマーケット向けに新曲がほしいと考え、その共作者兼プロデューサーとしてAndrew Goldに白羽の矢を立てたことにあります。Andrewは早速渡英し、Graham,Ericと3曲を共作し、プロデュースも行いました。こうして米国では独自編集の『Ten Out Of 10』が発売され、英国では共作された3曲がシングルカットされました。結果はご存知の通りチャート的には失敗に終わりましたが、3人は共同作業で意気投合し、GrahamとEricはAndrewに10cc加入を打診します。一度は断ったAndrewでしたが、10ccの解散を機に、再びGrahamと曲作りを始めました。 彼らはCommon Knowledgeとしてシングルを2枚発表しますがヒットせず、アルバムはお蔵入りに。2人はマーキュリーを離れRCAに移籍。WAXと改名します。 |
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後にリリースされた『Common Knowledge.com』を聴くと、この『Magnetic Heaven』はCommon Knowledge時代の作品をほとんどボツにして、新たに制作されたものだということがよく分かります。ビートを強調したアップテンポなナンバーは、それまでの2人のキャリアからもかけ離れたものでしたが、時代の流行とマッチしてヒットに結びつきます。アルバムは全米トップ40にランクイン、シングル「Right Between The Eyes」はスペインでチャート1位に輝きます。 なお、アルバムタイトルは、スタジオで録音したテープを危うく消去しかけた時に言ったジョークから命名されたものです。 |
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MAGNETIC HEAVEN /
USA RENAISSANCE RMED00207 (2CD, released in 2008)AMERICAN ENGLISH |
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(released on Oct. 20, 2011) w/OBI, insert Bonus tracks: 11.The Lie 12.Ball And Chain (Chainsaw Mix) 13.Ball And Chain (Ballroom Mix) 14.Hear No Evil (Full Length Mix) |
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(front) (back) Inner sleeve (front) (back) |
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(front) (back) Inner sleeve (front) (back) as "WAX U.K." 米国では同時期に、モータウン系の同名グループが活動中だったので、混同を避けるためWAX U.K.名義でリリースされました。 また、ジャケット表はオリジナル通りですが、裏はヌード女性の姿が消され、波の写真も差し替えられています。 |
『Magnetic Heaven』の成功で手ごたえを感じた2人がさらにその路線を追求したセカンド・アルバム。先行シングル「Bridge To Your Heart」、続く「American English」がともにヒット、第3弾「In Some Other World」も含め、斬新なプロモ・ヴィデオも話題になりました。 Paul Carrackがゲスト参加しているほか、後に『Mirror Mirror』でプロデュースを担当するAdrian Leeの名前を見ることができます。また、アルバム・タイトルはストロベリー・ジャム期以来の交流があるBarry Greenfieldによるものだそうです。ジャケットおよびインナースリーヴのデザインはヒプノシスのストーム・トーガスン。 同時期に行われたライヴ・ツアーではサポートメンバーにRick Fennを起用、後のGouldman&Fennを経て現在の10ccに至っています。 |
GER RCA PD 71430 |
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as "WAX U.K." |
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(released on Oct. 20, 2011) w/OBI, insert Bonus tracks: 11.People All Over This World 12.American English (The Concorde Mix) 13.Bridge To Your Heart (Unabridged Version) 14.Bridge To Your Heart (7" Version) |
(front) (back) Inner sleeve (front) (back) |
89年発表のサード・アルバム。前2作より全体にAndrew Gold寄りの楽曲が増えダンサブルな曲が減った印象があります。そのせいかどうかはともかく、あまり売れなかったのは事実のようです。各国で行われたリイシューでも本作は対象にされず、廃盤の憂き目に遭っています(2011年10月の日本での紙ジャケット化企画からも外されてしまいました)。 ジャケット・デザインはヒプノシスのストーム・トーガスンとコリン・チェンバース。 |
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「ろう細工」と「作品集」をかけたタイトルの18曲入りベスト。1stから4曲、2ndから8曲、3rdから5曲、12インチから1曲という選曲です。 台湾盤が出ていたのは意外でした。 |
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cover design is same as UK. |
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『WaxWorks』の翌年出された、17曲入りのベスト&新曲&未発表曲集。再結成10ccが頓挫して、WAX再結成の噂がまことしやかにささやかれていた時期でしたが、オリジナル・アルバムとして出すほどの曲数が揃わず、純粋な新曲は4曲(「Under Her Spell」「Claire And Johnny」「Same Boat Now」「Touch And Go」)、これにCommon Knowledge時代の2曲(「Holiday」「One More Heartache」)とAndrewの96年のアルバム『...Since 1951』で2人が共作した2曲(「Baby's Got A Gun」「Can Anybody See You」)、さらにWAXの過去の作品から9曲を収録しています。 なお、アルバムタイトルは当時の人気テレビドラマ「X-Files」から。 |
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1984年に制作されたものの、お蔵入りしてしまっていたCommon Knowledgeのアルバムが、14年ぶりに日の目を見ました。「Victoria」から「One More Heartache」までの10曲がそれ(曲順も当時のままかどうかは定かでありませんが)。これに、同時期の録音ですがアルバムからもれた2曲(「Big Fat Baby」「Heartbeat To Heartbeat」)と、新録曲(最初の3曲)をボーナス・トラックとして加えています。特に、スティーヴン・ビショップが曲作りに加わった「Shanghai Moon」の出来は素晴らしく、アルバム全体を締まった印象にしています。 |
Intro Rock My World Lazybones Ha Ha Went The Clown All Aboard The Lie Gingers Bakery Welcome To The Neighborhood Time On His Hands Slow Down Live Bug On The Cote D'Azur Dirty Love 13/4 Thing Francesca McGregor People All Over This World A Single Kiss |
Chinese Backward Music / Superman You Found Out Billiard Themes Coffee Break The Shadows Know On The Waterfront Take My Breath Away Please The Last Time I Fell In Love Somebody's Waiting Does Anybody Remember The Sixties? Bridge To Your Heart Demo When East Meets West / Laudromat Francesca's Magnetic Moon Lone Soldier |
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2人が共作を始めた1983年からの17年間のアウトテイク、デモテイク、スタジオでの雑談、創作途中の曲の切れっ端などを集めたヤミ鍋的作品。Andrewの公式サイトのみの発売でしたが、日本ではディスクユニオンが大量に仕入れて店頭販売もしていました。内容が内容だけに、散漫な印象で、通して聴くのが辛くなる部分もありますが、聴くたびに新しい発見があるアルバムでもあります。 |
USA QUARKBRAIN QR8190 sold at andrewgold.com store only. |
Andrew GoldとWAXのプロモ・クリップ、TV出演、TV放映されたWAXのライヴ・コンサート、楽屋風景を撮ったプライヴェート・ヴィデオなどを網羅した映像作品。VHS版とDVDの2種類出ていました。Andrewの公式サイトのみで販売されていました。 WAXの公式映像作品はこれだけなので非常に貴重です。欲を言えば、「Wherever You Are」のPVと「Systematic」のPV(あるのか?未確認)を収録してほしかった! |